人は、そしてそれを取り巻く『世界』というものは、ほんの小さなきっかけや
優しさで変わっていくものだと気付かされました。
生きるのには充足したまどろむような日々の中、主人公が追い求める答えを見
つける為に見る夢と、雨の中で出会った天弓(あゆみ)とのささいな繋がりから
変わり始めていく日常。現実と空想という2つの舞台を行き来しながら進行して
いく物語は、さながら深い哲学の迷宮のようです。それでも迷い、苦しんで見つ
けた答えは、確固たる存在としてあなたの糧になるでしょう。
温かな優しさに触れたい人にオススメです。
「EXISTENCE」
佐藤弘貴【著】(ジャンル:小説)
― EXISTENCEとは日本語で『存在』 ―
「僕には、どうしても読めない本がある・・・。」
青年はその本のページを捲れない。それでも緩やかに流れる日々の中で、青年は世界を哲学的にとらえようとし続ける。そしてその世界から取り入れたファクターを手に、青年はまた天井のストーリーへと没頭していく。
天弓。虹の名を持つ歌姫。哲学の交換。確かな意志・・・。今、ここにいることとは何か?青年の世界は、静かに。だが大きく変わっていく。
― 世界が180°変わったら、どうなると思う? ―
お楽しみください。