桜の森の満開の下(縦書ふりがな付)坂口安吾 はっかぶっくす (v. 1.0) Разработано hakkadrops |
12世紀の鈴鹿峠。山賊は、山に棲み、通りがかった旅人を殺し、女は気に入れば女房にしていた。この山のすべて、この谷のすべては自分の物と思っていたが、桜の森だけは恐ろしいと思っていた。桜が満開のときに下を通れば、ゴーゴーと音が鳴り、気が狂ってしまうのだと信じていた。
ある春の日、山賊は都からの旅人を襲って殺し、連れの女を女房にすることにした。女は、連れを殺した山賊を怖れもせずに指図をする。女は山賊に、家に住まわせた7人の女房を次々に殺させるのだった・・・。
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