耳無芳一の話(縦書ふりがな付)小泉八雲 はっかぶっくす an (v. 1.0) Разработано hakkadrops |
阿弥陀寺に芳一という盲目の琵琶法師が住んでいた。芳一は平家物語の弾き語りが得意で、特に壇ノ浦の段は「鬼神も涙を流す」と言われるほどの名手だった。
ある夜、和尚の留守の時、突然一人の武士が現わる。芳一はその武士に請われて「高貴なお方」の屋敷に琵琶を弾きに行く。盲目の芳一にはよくわからなかったが、そこには多くの貴人が集っているようであった。壇ノ浦の戦いのくだりをと所望され、芳一が演奏を始めると皆熱心に聴き入り、芳一の芸の巧みさを誉めそやす。しかし、語りが佳境になるにしたがって皆声を上げてすすり泣き、激しく感動している様子で、芳一は自分の演奏への反響の大きさに内心驚く。芳一は七日七晩の演奏を頼まれ、夜ごと出かけるようになる・・・。
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